Danger Day.1「渕上 舞(声優)」

こんにちは「もでーん」です。

 

デンジャーな情報一発目のお届け。

それは最近買ったCD

 

渕上 舞 5th single 「Crossing Road」

 

についてです。

渕上舞さんというとアイドルにもいらっしゃるそうですが、今回は声優として活躍している方の渕上さんとなります。

 

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渕上さんのCDって毎回ジャケット綺麗なんだよなぁ…。

・・・といっても音楽活動の方を主に追っているので、声優としての活動はこれから勉強していく形になります。

 

渕上舞とは?

 

まずは人物紹介。

福岡県福岡市出身。

高校時代に水樹奈々さんのDVDを見たことから声優を目指すようになったそうです。

その後、声優としてキャリアを積み始めますが、中々日の目を見ず、挫折を経験したそとのこと。しかし、引退覚悟で挑んだ、女の子が戦車に乗って戦うアニメ「ガールズ&パンツァー」の西住みほ役で人気に火が付きました。

歌手活動に関しては、最初は「話はあったが、自分名義で曲を出す気がなかった。」とのことで、事実様々なキャラ名義で曲を歌っているにも関わらず、渕上舞名義でデビューしたのは2018年と最近のことでした。

「人生は一度きり。やりたいことをやってみようという意識になってきた。」との言葉通り、デビューしてからの2年でフルアルバム1枚、ミニアルバム1枚、シングル5枚(アルバムにはシングル曲は一切収録されていません)をリリースし、歌詞も楽曲の半分以上を書くなど精力的に活動してくれています。

テーマカラーは。鳥が好きで、色んなところで鳥についてのエピソードを聞くことが出来ます(飼うのも食べるのも好きとのこと)。

最初に飼っていた鳥はセキセイインコで名前はチェルシーといい、現在はセネガルパロットのひまわりさんを飼っているそうです。(因みに僕の一番の推しサッカークラブはロンドンを本拠地とするチェルシー。クラブカラーは青。嬉しい偶然ですね)

 

ボーカリストとしての特徴

 ここからはすべて僕の主観となっておりますのでご注意ください!異論があれば飲みに誘ってください!

僕が渕上さんを知ったのは2015年のアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ」の北条加蓮役です。作品内でいくつか曲を歌っているのですが、その中で須藤まゆみさんの楽曲「蛍火」のカバーを聴いたときは、その技量と歌声に衝撃を受けました。

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元の曲が素晴らしいのは勿論ですが、儚げな曲に渕上さんの声が良く合っていると思います。

原曲の須藤まゆみさんの声は芯があり、アンサンブルを従えるというイメージですが、渕上さんの声は優しく、逆にアンサンブルに溶け込むような印象を受けます。

声質自体も、渕上さんはちょっとヴァイオリンみたいな響きをしているので、それによるのかなぁと思ってます。X JAPANのToshiタイプ、みたいな。

(個人的に、渕上さんの歌声でラルクの「Pieces」か「瞳の住人」を聴いてみたい…)

 

それを境に、僕は渕上さんが参加している楽曲(デレマス以外でも)を聴くようになったのですが、特に気になったのはビブラートのかけ方。

例えば、上の動画40秒くらいの「ほた~るび~」部分のビブラートが独特で、音程とともに、音量の強弱も強いような印象を受けます。場面的にも、か細くて消えてしまいそうな部分でありながら、躍動感が感じられ、自然と耳に残ってしまいます。

しかも揺れの幅の塩梅が良い。これでもか、ってくらいかける人もいれば、殆どかけない人もいますが、渕上さんは丁度いい!甘さ控えめのスイーツのような「食べて満足。でももっと食べたい!」と思わせる後引くビブラートです。

 

また、歌い方の引き出しが豊富。アコースティックに合いそうな素朴な歌い方をしたと思ったら、あどけない歌い方も出来ます。だからといってバックサウンドに負けることはなく、力を込めるところはキッチリ張り上げ、場面によっては少々ラウドに歌うことも出来ます。曲が求めていることを汲み取って表現出来る幅の広さ。これも渕上さんの強みの一つだと思います。

強弱の付け方も、少し演歌というか歌謡チックな付け方をしているところもあって、面白いなぁって感じることもあります。個人的に音楽的ルーツが気になるところです。

その辺は、機会があれば改めて語っていきたいと思います。

最新曲「Crossing Road」

(レビューというより主観的な解説みたいになってるかも…)

そして2018年1月、渕上さんはフルアルバムを引っ提げてデビュー。丁度「渕上さん歌手デビューしないかなぁ」と思ってた僕は歓喜の涙で溺れかけました。それから月日が流れ、来たる2020年4月29日、新曲が発売されました。

 

5thシングル「Crossing Road」は現在絶賛放送中のTVアニメ「食戟のソーマ 豪の皿」のEDテーマに起用されています。

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こちらはヴァイオリンやピアノをふんだんに使用したシンフォニックなロックチューンです。系統としては1st single「Rainbow Planet」に近いかなぁ。

作詞:松井洋平 作曲:小高光太郎UiNA 編曲:石倉誉之小高光太郎

の編成で、ダイナミックな世界観を作り上げています。

 

イントロは、抜けの良いソリッドなピアノの音で夜空を連想させるフレーズから始まり、次にヴァイオリン、そして全体のパートが入ってくるのですが…。

そこでのドラムの畳みかけ(0:14)に一気に引き込まれました。アクセントが「ーンーンン・ーンーンン」なのですが、そこを「タンタタタンタンタタタンタンタタ・タンタタタンタンタタタンタンタタ」で畳みかけてきたのは個人的にツボでした。(はアクセントを表してます。分かりづらくてすいません)

アクセントに準じたフレーズでも全く問題ないのに攻めてくる姿勢…嫌いじゃない…!

更に、そのリズムに乗ってヴァイオリンが力強く動き回ることで疾走感を強調してきます。これがこの曲の基本の構成となっていくのですが、この後場面展開が激しいこの曲でも、ブレブレにならないのは「ここで全体像をなんとなく見せた。」からなのではないかなぁと思います。

その後Aメロで落ち着くためにブレーキをかけるドラムの「タタタタタタドド」もなんとなくグルーヴを感じて好きですね。

 

Aメロでは渕上さんが入ってきますが、ここの低い声でのビブラートが印象的です。僕は「音の揺れ」というものが凄く好きなんですけど、夜空に溶けていっちゃいそうな揺らぎに胸がキュッとさせられます。

 

Bメロに入ると様々なパートが合流して、サビに向けて徐々に助走をつけていく展開になってます。渕上さんも力を溜めていっているような歌い方です。ここでも途中からイントロの部分に似たフレーズのドラムが入ってきていますね。これはサビのリズムパターンへ移行するための布石かな、と思ってます。

 

そしてサビですが、各パートのハーモニーが気持ちいいです。Bメロの溜めから解放されたボーカルが、上で鳴るストリングスと、少し下で鳴るコーラスにガチっと挟まれ、力強い印象を与えています。更に相変わらずドライブ感のあるドラムが場面を盛り上げます。個人的には好きなアプローチですが、ギタリストのマーティ・フリードマンならもしかしたら「折角綺麗なメロディなのに、何故ドラムを目立たせるんだ!」って言いそうな気もします(笑)

サビ後半に入るとドラムが4ビートに切り替わり手数を緩めますが、代わりに後ろで鳴ってたヴァイオリンが大きめに動き始めます。場面展開をしつつ、こういうところでバランスを取ってるんですね。

音を詰め込んだ前半から急に空間が出来るので、景色が開けたような感覚になるのではないでしょうか。僕はなだらかな丘の先に広がる満天の星空が見えました。

あとボーカルの「Crossing Road そうして重なってく手と~」の「手と~」の部分が、徐々に声量を上げていって、最後力を込めた瞬間にスッと抜く「渕上節」を炸裂させていて好きなんですよね。(1st single Rainbow planetの「正義の中で~」のところでも確認できます。)

また、サビを聴いて思うのは、上から下まで音で満たしているわりには、音の重心が低いような印象を受けるなぁということです。(曲によって、高音域を強調するか、低音域を強調するかを使い分けることがあります。例えば、アイドルポップなどのジャンルになると、高音を強調し低音がバッサリカットされてキラキラした印象になるようにしてることもあります。)

これも曲の重厚さを演出するための仕掛けなのかも知れないですね。

 

さて、間奏ですが、渕上さんの心地よいコーラスが入っています。

渕上さんは声が柔らかいので、こういうバックサウンドと混ぜたときに、真価を発揮すると思ってます。上手く馴染んで周りを引き立たせつつ、自分も前に出る、例えれば、つけ麺のスープにおける「魚介類の出汁」のような…!

デレステで「ゆず」の虹をカバーしたときのコーラスワークでも感じました。)

ここではファンファーレのような金管楽器と鐘のような音が入ってきて、太陽が昇るような展開になってます。歌詞にもある「夜明けの鐘 鳴り響く」をまさに表現しているようで「流石プロはやることがニクいなぁ」と感心してしまいます。

 

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こんな感じ(高校時代にキャンプ場で撮ったものです)

2番に入ると若干様相が変わり、各パートが動き回ってアグレッシブな展開になります。丘の頂で風が吹き始めてるなぁ、物語が動き出しそうだなぁ。そんなことを薄っすらと感じさせます。

 

2番のサビが終わるとCメロです。また新しいリズム「ダッダッダダン・ダッダッダダンダンダンが出てきます。ここでは4拍子のリズムの中に3拍子×2小節+2拍のようなフレーズを入れており、そのリズムを続けながら、ボーカルの方は途中4拍子に切り替わったりしています。(実際リズムを取ってみると、「傷つき迷っても~」のところと「真っ直ぐな瞳で見つめて進んでく」ではリズムの取りやすさがだいぶ違うことが分かると思います。)

ボーカルとバックサウンドを分けて聴いてみるとわかりやすいかも知れません。脳が混乱しかけるところで元に戻すことで、アクセントにする手法です。ただ、リズムがズレていても2小節で帳尻が合うので、そこまでストレスには感じることはないかなぁと思います。

しかし、歌う側は大変だったと思います。自分だったらリズムに集中してしまい、表現する余裕がなさそうです。UNISON SQUARE GARDENの斉藤さん(Vo,Gt)とかなら得意そうですけど。

物語で言えば「起承転結」の「転」に該当する部分です。この直後からのピアノソロは追走するヴァイオリンと絡み合って、丘を駆け抜けるような迫力です。しかも各パートのフレーズが細かく、音程的にも上下に激しく動くので、聴いている側としては、そのダイナミックさにハラハラとワクワクを感じずにはいられません。

もしライブで実際に聴いたらボルテージは爆発寸前、会場内はもはや可燃物を含んだような期待で満たされいていることでしょう。

 

そしてブレイクからの大サビ。少しの静寂の後、フルパワーの渕上さんが火をつけ、ここでもう抑えられてきたグルーヴは爆発。ラストに向けて一直線に駆け抜けます。

華奢な見た目でありながら、大サビラストに相応しいパワフルな歌声。流石としか言えません。

渕上さんのボーカルを軸として様々な楽器が絡み、楽曲が成り立っていく様は、まるで道が交差して未来を切り開いていく人の営みのよう。正にCrossing Roadだなと思います。

アウトロも、夜明けを祝福するような響きに聞こえます。恐らくこの曲の「結」はハッピーエンドなのではないでしょうか。未来に期待したくなる。そんな曲だと僕は思ってます。

 

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旅館からの夜明けの鐘 in 大洗 の図

感想

「Crossing Road」は渕上さんの強みを存分に楽しめる曲となっているのではないでしょうか。カッコイイ部分もあれば、儚げに歌う部分もあり、透き通るような声が気持ちのいい部分もありました。僕は渕上さんのこういう曲が特に好きです。

カップリングには和風のR&B調でちょっと可愛いボーカルが乗っている「ハラ・ヒラ・フワリ」が収録されています。そちらも「Crossing Road」とは違う側面を聴くことが出来ます。合わせて聴いてみてください。

 

終わりに

ブログって難しいですね、色々と。

次からはもうちょっとシンプルに書いて行こうと思います。

気が向いたら、どうぞ気軽に絡んでください。

ありがとうございました。

渕上さん!3rd Live 待ってます!