Danger Day.4 「月の井!大洗道その1」
音楽を扱うことが多いこのブログ、たまには音楽以外も書きたいなぁということで、コロナ禍での応援も込めて、大好きな地域の大好きなお酒(商品の1つを自分なりにテイスティングみたので、是非読んでみてください)について書きたいと思います。
今回扱うのは…茨城県大洗にある
「月の井酒造店」
HPはこちら→月の井酒造店 | 茨城県大洗町の酒蔵
さんです。察しのいい方はもう分かってると思うのですが、結局また渕上さんから派生したものです(照)
僕はこれまでに5回大洗に旅行に行ったんですけど、ここの地酒にはその度にお世話になっております。
大洗と言えば海の幸がうまし!というところでありますが、食べ物が美味しければ日本酒が欲しくなるのは必然。
旅行に行く度に「魚介日本酒魚介日本酒魚介日本酒魚介日本酒魚介日本酒魚介日本酒魚介日本酒魚介日本酒温泉温泉温泉温泉温泉温泉」と、海の幸と日本酒に溺れ、肝臓に迷惑をかけています。
そして、その肝臓攻撃の陣頭指揮を執るのは、大通りから一歩裏に入った商店街にでーんと構える「月の井酒造店」です。
「月の井酒造」は大洗の味覚を根底から支える日本酒を提供している酒造で、大洗を歩けば様々なところでその名前を見かけます。
今回はその魔の地酒「月の井」について紹介していきたいと思います。
月の井酒造店とは?
まずテイスティングをする前に、酒造のことを知っておかなければならないでしょう。
ここにおいて慶応元年、この罪深い(飲み過ぎちゃうため)酒造は創業し、以来150年以上もの間、手づくりによる丁寧な酒造りを貫いてきました。
現在では日本を代表する杜氏「菊池正悦」氏を筆頭に蔵人たちの熟練の技と感覚を駆使し、美山錦を使用した創業140年記念の「和の月」、地酒らしい地酒を目指し大洗の米にこだわった「彦市」、そしてフラッグシップ商品「月の井」を造り上げ、酒単体で美味しいのは勿論、大洗の味覚を更に押し上げる商品をリリースしています。
上の写真を見てください。これは「ご馳走 青柳」という食事処に「幻のあんこう鍋」とまで言われる「どぶ汁」を食べに行ったときの写真です。(このあんこう鍋については、また機会があれば記事を書きたいと思います。涙が出るくらい美味しいです。)
サラダの盛り付け方の時点で、この青柳のレベルの高さが垣間見えますが、それに負けないどころか、更に高め合っている風格。一目で「ああこれは美味い」ってわかりますね(このデザインのボトルは2020年1月の時点で終売しているとのこと:店員さん談)
ああ美味しい。この記事を書きながらもう涎が出てしまいます。本能に直接訴えてくる出で立ち。これには勝てません。
「月の井」のお酒はどれも味は甘すぎず辛すぎずなので飲みやすく、料理の邪魔を一切しません。ですが、味には芯があり、舌に残るので、その風味が消えないうちに料理を口にすると、口の中でとんでもないマリアージュが形成されます。
「日本酒は単体で飲んでも美味しいが、料理と組み合わせるともっと美味しい」
その基本的だけど忘れがちな事実を、改めて僕に教えてくれました。
このように「月の井酒造」は大洗の各所に姿を現し「飲みたいんだろ…?飲めよ…ほら飲めよ…」と、大洗の豊かな幸と共に僕らの理性を奪っていく、とても罪深い酒造なのです。
「月の井」という名前
「月の井」というのは、なんとも風情のある名前です。
月明りの中、潮の音に耳を澄ませ、そよ風に吹かれながら飲む。そんな光景を連想させます。
この「月の井」という名前の由来は、大洗を中心に海岸地域歌われている民謡「磯節」の中に出てくる「波の背に乗る秋の月」という一節だそうです。秋の名月の光を波頭に受け、金銀に輝く様が見事だということで、その月景にあやかって名付けられたそうです。(歌詞で調べると書いてあるものもあるけど、下の動画のには書いてない…。いくつかバージョンがあるのかも)
また、創業者の坂本彦市が、神奈川県の川崎大師に参拝した際、過去に弘法大師が飲んでいたという井戸から清らかな水が湧いており、その井戸が「月の井」と呼ばれいたことから、酒を「月の井」と名付け、飲む人の健康や厄除けを願ったとも言われているそうです。
「月の井」という短い単語の中にそれだけの意味や想いが込められていると思うと、なんだか感慨深いですね。
名前の由来やその意味、酒造の物語にまで想いを馳せて飲むのも、また一味違って良さそうです。
あと酒造の蔵人や雰囲気等については、声優の茅野芽衣さんが取材をしている様子がYoutubeにアップされているので、そちらを参照願います。
(茅野さんに「さかもっちゃん」と呼ばれる蔵元の坂本直彦さん…。いいなぁ)
テイスティング
ということで、簡単ではありますが「月の井」を楽しむための下地は出来ました。もうあとは飲むだけです。
今回飲むのは「月の井 純米大吟醸 書 」です。
渋い木箱に片岡鶴太郎さんの朱書き。趣深いですね。飲んだあとも飾りたくなってしまいます。これが届いたのが土用の丑の日ということで、鰻と合わせていきたいと思います。
それではテイスティングに移っていきたいと思います(個人の感想です)
ざっくり書くと
色:ほぼ無色
香り:パイン・リンゴ
味:軽やかだけど芯がある・若干のバナナヨーグルト感
見えた景色:田園風景
飲みながら聴きたい曲:ドヴォルザーク「新世界より 第2章 家路」
宮本笑里「ふるさと」
東京フィルハーモニー交響楽団「戦車道行進曲!パンツァーフォー!」
たぶんやや辛口
ですかね。多分辛口というのは、普段僕はウィスキーを飲むんですけど、それに慣れているせいか、日本酒は全部甘く感じてしまうんですよね。
以前、温泉にいったとき、部屋で日本酒飲んでたんですけど
「それ何口?」
「分かんないけど、甘口かなぁ。飲んでみ」
「これ辛口だよ」
って会話をしたことがあります。そのときの銘柄は忘れてしまいましたが、それよりかは少し甘く感じたので「やや辛口」だろうという結論になりました。
はい、じゃあ細かく見ていきます。
まずは色から
グラスが汗かいてしまっているのでちょっと見えづらいですが、ほとんど色はついておりません。
まぁ、よぉーく見ると若干ヒノキのような黄色味がほぉーんの少しありますが、泉で湧いていたら躊躇いなく飛び込んでしまうくらい本当に綺麗なお酒です。
次に香り
「フルーティーだな…でもくどくない。」
そんな印象。それを嗅ぎ分けていくと、最初にパインのような香りが見つかりました。それも糖度が高いやつ。それの周りにリンゴ?梨?っぽいのがいるように思えます。パインで一瞬鋭く、リンゴでフワっとしている、そんなイメージです。
ですが、グラスに残って少し乾いたものを嗅ぐとチーズ系の匂いがします。
因みに上記のものは冷蔵庫で冷やして飲んだのですが、少し時間が経って温まってきたときにラムネみたいなものが一瞬過りました。複雑な香りで、人によって色んな感想が出てきそうです。
そして味
「軽やかだけど、舌に残る(しっかりしてる)なぁ。」
ファーストアタックはアルコール感もなく、スッと入ってくるので、そのまま消えていくのかなというところでした。が、液体内に漂う何かの成分(アミノ酸?)が舌に染み込み、余韻として残ります。
口に含むと若干のバナナヨーグルトのような味が口の中に広がります。そしてそれを舌で転がして味わっていくと最終的にチーズやパンのような風味が感じられました。
割と飲みやすいのに芯があるので、薄味は勿論、多少味の濃い料理に合わせても味が負けることはないと思います。料理の相方を選ばずに活躍出来る良いお酒だと思います。
そして見えた風景
バシッと田園風景が見えました。そりゃもう鮮明に。真夏に大洗鹿島線から見下ろしたあの風景。風がそよそよと吹いているんです。太陽に照らされながらユラユラ揺れている稲を撫でながら。
飲んでもらえば言っていることが分かると思います。月の井酒造自体は海沿いですが、あの辺一帯を包む空気感を感じます。
そして、お酒を飲むときに必要なもの。それは音楽
個人的に併せて聴きたい曲をピックアップしました。全体的に落ち着いて、どこか懐かしさを感じるさせるものが良いかなと思っています。
最後の「戦車道行進曲!パンツァーフォー」は…。まぁ分かりますよね。
まとめ
今回は大好きな大洗の、大好きなお酒を紹介させて頂きました。
慣れないテイスティングで至らない部分もあったかと思いますが、僕としては楽しんで書くことが出来ました。これから勉強してもっと詳しくなっていけたらなぁと思います。
また、最近はコロナの影響で行くことが出来ませんけれども、この記事で少しでも人の目に留まって、自粛ムードが解けたときに大洗にみんなで押し寄せることが出来たらいいなぁと思っています。
それでは 大洗のますますの発展を願って
「パンツァーフォー!」